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そもそも糖尿病ってどんな病気?
症状が無ければ放置しても大丈夫?
厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」の結果によると、日本国内の糖尿病が疑われる成人の推計は1,000万人、さらに糖尿病予備軍と考えられる人も1,000万人いるといわれています。
今や国民病ともいえる糖尿病ですが、どんな病気かといわれるとはっきり分からない方も多く、危機感がうすくなりがちなのが現状です。
昔から「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」といいますが、糖尿病の治療においても、正しい知識を持っている患者さんほど治療成績がいい傾向にあります。したがって、糖尿病について正しい知識を身につけることが大切であると考えられます。
糖尿病とは?
糖尿病の合併症
主な合併症
メタボリックメモリーとは?
糖尿病は無症状のうちからの治療が大切
糖尿病とは?

2012年の日本糖尿病学会の「糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告」によれば、糖尿病とは「インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし、種々の特徴的な代謝異常を伴う“疾患群”である。」と定義されています。
簡単に言うと、糖尿病という一つの病気があるわけではなく、いろんな原因でインスリンが効きにくくなったり、インスリン分泌量が減ることによって血糖値が高くなれば糖尿病と呼ぶという意味です。一言で糖尿病といっても、生活習慣病の代表である肥満が原因で起こる2型糖尿病、ウイルス感染などが契機で引き起こされる1型糖尿病(日本では年間10万人に2~3人程度発症)、その他にも肝臓や甲状腺の病気、悪性腫瘍、ステロイドなどの薬や妊娠によるものなど、様々な種類の糖尿病が存在します。原因は何であれ、血糖値が高いこと自体がよくないことになります。
糖尿病の合併症
血糖値が高いとなぜいけないかというと、高血糖による種々の酸化ストレスによって動脈硬化などの血管障害(細小血管障害、大血管障害)を引き起こし、それによって神経障害や網膜症、腎不全、心筋梗塞や脳梗塞といった様々な合併症を引き起こしてしまうからです。
主な合併症
【 細小血管障害 】糖尿病神経障害 | 初期では手足のしびれ、進行すると痛み、さらに進行すると感覚が鈍くなる。 温痛覚が鈍くなると、やけどや傷口の細菌感染に気付かず、壊疽を起こし、手足切断に至ることも。 また、立ちくらみ、排便障害、排尿障害等も起こす。 |
糖尿病性網膜症 | 網膜の血管に障害を起こし、進行すると硝子体出血、網膜剥離など急激な視力低下や不可逆的な失明に至ることがある。 日本国内の失明の主要な原因の一つ。 定期的な眼科受診での予防が重要である。 |
糖尿病性腎症 | 動脈硬化の影響で腎機能に影響をきたし、進行すると慢性腎不全となる。 人工透析患者の原因疾患として糖尿病性腎症が約半数を占める。 |

脳卒中 | 脳梗塞、脳出血など |
虚血性心疾患 | 狭心症、心筋梗塞 |
足病変 | 糖尿病性足壊疽 |
メタボリックメモリーとは?

糖尿病の合併症は高血糖の期間と関係します。コップに水をいれ続けていくと、当たり前ですが最後はコップから水があふれてしまいます。高血糖の期間をコップに入れる水と考えると、高血糖の期間が長くなるとやがてあふれ、あふれた時に合併症が出始めるというイメージです。したがって、人生における高血糖の期間は短いほど合併症が出にくくなりますが、蓄積された高血糖の期間は体内で記憶され、時間が経ってもリセットすることはできません。これをメタボリックメモリーとかレガシーエフェクト(遺産効果)といいます。
つまり「今は血糖値が少々高いけど、何にも症状が出ていないから大丈夫。」と放っておくと、体内では確実にメタボリックメモリーが蓄積されていってしまうことになります。
糖尿病は無症状のうちからの治療が大切
糖尿病による合併症のほとんどは、一度進行してしまうと治すことができません。また、ある程度進行しないと症状が出ません。つまり、症状が出る前からの治療が重要です。したがって、メタボリックメモリーを蓄積させないためにも、早い時期から血糖値やHbA1c(2か月の血糖値を反映する指標)を良好な状態に保っておくことが必要です。厚生労働省によると、日本国内で「糖尿病が強く疑われる者」のうち、現在治療を受けている人の割合は男性で78.7%、女性で74.1%とあまり高くなく、40歳代男性では仕事が忙しいためか治療を受けている割合が51.5%と特に低くなっています。
下記に思い当たる方は、ぜひお早めに当院の糖尿病の専門医を受診してください。
- 健診で異常を指摘されているけど放置されている方。
(職場や、品川区・目黒区等の各自治体の健診結果を、一度見直してみてください。) - 糖尿病で通院をしていただけど自己中断をされている方。
また、糖尿病の特徴的な症状として下記があります。
検査を受けた事が無く下記に思い当たる方は、お早めにご受診ください。
- しきりに多量の尿が出る
- やたらに喉が渇く
- 何もしないのに痩せてきた
- 夜何度もトイレに起き、尿量も多い
- 靴擦れが痛くない
- 身体がだるい、疲れやすい
当院は糖尿病専門医が在籍しております。品川区や目黒区等の健診や会社の健診等で血糖値やHbA1cの異常を指摘された方、治療を自己中断されている方や糖尿病でお悩みの方は、品川区上大崎、目黒駅から徒歩1分の当院糖尿病専門医へお気軽にご相談ください。